2009-01-01から1年間の記事一覧
アメリカの妙な文学好き界隈で話題になっている本。 ヴィクター・ラヴェイルは1972年生。名門コーネル大学およびコロンビア大学を卒業。2003年、ペン/フォークナー賞最終候補。NY出身で父親はアイリッシュ系アメリカ人、母親はウガンダ人である。 ラヴェイ…
半分までざっと読んだ。イギリス人を中心とした作家たちが、科学者たちから専門知識を得てSF短篇を書き下ろすという企画のアンソロジーである。タイトルはライマンがお気に入りの短篇、ジョアンナ・ラス「変革のとき」からもらったそうだ。 ジェフ・ライマ…
注意:メモが適当なので、情報ソースとして使用しないでください。聞き違いがあることを前提として、話半分に読んでください。1時間ほどで起こした適当なもので恥ずかしいため、数日中には消すつもりです。せりふは一字一句同じではなく、意味の通じるよう…
今月22日が公式発売日ではあるが、だいぶ前(夏?)から版元のサイトなどで先行発売されていた模様。 一言で説明すれば英国版『サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』(NTT出版)である。これに尽きる。作家と科学者を語らわ…
読んでこちらに感想を書きました→http://d.hatena.ne.jp/knigi/20100217 よって読む前に書いた粗筋は削除。 藤原書店は出してくれそうもないし(偏見?)重訳を避けるなら「お客様の中にトルコ語ができるミステリ者は(略)」と請うしかない。The Kiss Murde…
英国Comma Press*1の本を2冊、Book Depositoryでポチってみた。 2008年度シャーリイ・ジャクスン賞アンソロジー部門受賞作品。Uncannyは「不気味なもの」の意で、フロイトの論で使われた言葉heimlichの英訳だそう。精巧な人形に対する違和感を表す「不気味…
今年は全然読書がはかどらなかったので、年末までに巻き返したい。反省してブログタイトルを変えてみた。去年のベスト集成系のアンソロジーを積んだまま来年を迎えるのは避けたいところ。いっそ、好きな作家だけつまみ読みしてしまおうか。意味がわからない…
「コンテンポラリー・ネオノワール・サスペンス・フィクション」アンソロジーだという本書は、ウェブマガジンThuglitから編者トッド・ロビンスンが選り抜いた25篇が掲載されたもの。収録された作家は若手を中心として、無名の新人から邦訳もある中堅作家まで…
今日は翻訳ミステリー大賞シンジケート*1立ち上がりにあまりに興奮したので、ついブックマークから読みたい本がほとばしってしまった。私は気になった本を片端からブラウザソフトのブックマークにブチこむので、しばらく放置しておくとブックマークリストが…
先ごろジャック・ヴァンスのトリビュートアンソロジーを出したマーティンが、ガードナー・ドゾワと組んで来年3月に出版する予定なのが、このジャンル越境型テーマアンソロジー“WARRIORS”である。いや、全然ニュースじゃなくてだいぶ前に面子も発表されてい…
すでに読んだ方が私を止めたり、背中を押したりしてくれることを期待。 まず、何はなくともPaul Tremblayの“The Little Sleep”だろう。いま一番ほしい。The Little Sleep作者: Paul Tremblay出版社/メーカー: Holt Paperbacks発売日: 2009/03/03メディア: ペ…
作家がかぶっているアンソロジーといえばこちら。マイクル・ビショップが、ひたすらキリスト教に関係した好みの短篇を集めた本。出版社がもう倒産してるようなのだが刷った割によほど売れなかったのか、まだ余裕で購入できてしまう。 かたやオスカー・ワイル…
10月1日に出る、1970〜2007年に発表された短篇から編まれたSF傑作選。何この文学系SF好きホイホイというか、奇妙な英文学好きホイホイ。「翻訳作品集成」様とグーグル先生を頼りに収録作リストを作ってみた。発表年代順に並んでる模様。他に訳されてるも…
〈変愛小説集〉第2期の9作目には、2002年に短編集『パストラリア』*1(角川書店, 2002)が邦訳されたジョージ・ソーンダーズが登場だ。浅倉久志氏による翻訳があるこの作家は、私の記憶が確かであれば、都甲幸治氏がプッシュする一人でもあるはずだ。掲載…
今年出た、ファンタジーやホラーとミステリの間をふらふらしてる系の小説をいくつかご紹介。 本命は、ケリー・リンク夫妻の小出版社スモール・ビア・プレスが初めて雇い入れたバイト*1という出自のジェディダイア・ベリー“The Manual of Deteciton”(2009)な…
ボリス・アクーニンのファンドゥーリンものの8冊目の英訳が出る折、皆様いかがお過ごしでしょうか。 Here On Earthというラジオ番組がある。ウィスコンシン公共放送が提供しており、国際的な相互理解を旨とするようだ。最近の放送分はネットでも聞ける。 こ…
Jack Haringa Must Die!作者: Nicholas Kaufmann出版社/メーカー: Merricat Pubns発売日: 2008/05/08メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 実在の作家・講師・レビュアーであり、シャーリイ・ジャクスン賞運営に深く携わるジャック・…
これはほんの数ページの作品なのに、モンスター性というものの旨みが凝縮されている。謎の奇病なのか、ある女性の肌は毛深くなり、目は黄色に、爪は真紅に。ついに牙まで生えてしまう。彼女の口から自身の深い孤独が語られるだけの物語と言ってしまえばそれ…
ひさびさに真っ向から怪物テーマ。と見せかけて、鬼畜博覧会だった巻。牧野修・飴村行・友成純一・平山夢明・真藤順丈の5氏が続く後半部分は、ベテランと新鋭のスーパー鬼畜パレードとでもいうべきドログチャシーンの連続だ。 好みだったものをいくつか挙げ…
リハビる。
Sideways In Crime作者: Lou Anders出版社/メーカー: Solaris発売日: 2008/06/17メディア: ペーパーバック クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 昨年刊行された、改変歴史世界を舞台にしたミステリ限定アンソロジー。たとえば、中国人がアステカ…
柿沼瑛子訳の本を読むのなんて久しぶりだ。いや、柿沼訳だから懐かしんで手に取ったんだけど。妖しき悪魔の抱擁 (ヴィレッジブックス)作者: カレン・マリー・モニング,柿沼瑛子出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/07/18メディア: ペーパーバッ…
麗しのオルタンス (創元推理文庫)作者: ジャックルーボー,Jacques Roubaud,高橋啓出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/01/28メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 166回この商品を含むブログ (50件) を見る 謎の連続窃盗+落書事件。美女、裕福な家の出の…
ヒューゴー賞2009結果 特に感想がない。キャンベル新人賞、2位と3位の人は自分がうろつく範囲でよく見る名前なのでそのうち読む→Aliette de Bodardはフランス系ベトナム人女性であるが主に英語で小説を発表し、専攻・本職はコンピューター関係。Angry Robo…
致命的なネタバレも多いので、気にする人はスキップしていただきたい。時限捜査上 (創元推理文庫)作者: ジェイムズ・F・デイヴィッド,公手成幸出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/07/20メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (13件) を見る
スミラの雪の感覚作者: ペーターホゥ,Peter Hoeg,染田屋茂出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1996/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る デンマーク領であるグリーンランドには、カラーリットというイヌイットの一民族…
*本稿は前のブログの再録・改稿である。極北が呼ぶ〈上〉 (文春文庫)作者: ライオネルデヴィッドスン,Lionel Davidson,石田善彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1996/05メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る スリリングな冒険…
"The Mall of Cthulhu"(2009) The Mall of Cthulhu作者: Seamus Cooper出版社/メーカー: Night Shade発売日: 2009/06/15メディア: ペーパーバック クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る 10年も前、大学生ローラ・ハーカー*1はあまたの齢経た女吸…