L・デイヴィッドスン『極北が呼ぶ』(上・下)文春文庫(1996)
*本稿は前のブログの再録・改稿である。
- 作者: ライオネルデヴィッドスン,Lionel Davidson,石田善彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1996/05
- メディア: 文庫
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潜入方法が、まず日本へ入国して韓国人船員として船に乗りこみ、わざわざ疫病を発症してロシア領で下ろしてもらうというやたらと迂遠なやり方なのも愉快だった。後述する『スミラの雪の感覚』もそうなのだが、この時代の冒険小説は主人公を先住民族の出自にしたり、奇妙な科学的発見を謎として大ネタに持ってきたりと試行錯誤著しい様子だ。