日記

 今日は昼から午後9時まで、自宅→下北沢→吉祥寺→高円寺→帰宅と延々散歩していた。もはや散歩というレベルではない。西部古書会館の古本市は今回も見に行かなかった。読む本は十分貯めこんでいる。
・オープン後はじめて吉祥寺アトレに入った。お洒落雑貨店の数々に圧倒された。お高い軽石を観察する。「上質な噴火土を使用しております」というようなポップがついている。最初「土」という一文字を見逃し、上質な噴火とはどういうものかしばし考えこんだ。たとえば、はじめにシャンパンのボトルを開けるときのような景気のいい音がポンと響き、それから火山流がトロトロと足並みそろえて火口から広がっていくとか?

・アトレ内の別の店で鉄道模型用の人間のミニチュアシリーズに目を奪われる。サーカスの一団が実にいい。手回しオルガンの上に小猿が乗っているのがよい。その雑貨屋に置いてあったのは、室内置きの小さな植物鉢にのせて飾る用途のためだ。セット売りで高く、私の財布はハマグリのように固くしまったままだった。ドイツのPreiser社という、鉄道模型用の人形で有名な会社のものだそうだ。しかし販売物を見ると、ポールダンサーやらアシカのショーやら一体どんな模型で使用される機会があるのか、見当もつかぬものばかりだ。大抵のシーンを再現できるだけの人形がそろっている。この防護服セットはかなり素敵。自室の、ホコリがたまりがちな隅っこに常時置いておきたいくらい。

・ひさびさに東急横の古書『百年』へ。ここは開店直後と比べると、ものすごく量・質ともに充実した。ちょっとお高いけど、ある程度ジャンルに特化した古本屋ならば仕方がないことである。マックス・アラン・コリンズのThe History of Mysteryや、French Science Fiction, Fantasy, Horror and Pulp Fictionなるリファレンス本などを物欲しげに眺める。そして見送る。

あゆみブックス新高円寺店の文庫売り場にて「伊藤計劃の次に読むSF」という手書きポップが立ち、小さなハヤカワ文庫JAコーナーが作られているのを発見した。『虐殺器官』の横にSRE、飛浩隆の文庫すべて、『永遠の森 博物館惑星』、『太陽の簒奪者』、『星の舞台からみてる』が置いてある。この店は面積こそ小さいものの、ライトノベルや海外文学も新刊入荷がかなり行き届いている感じでありがたい。←なんかえらそうな発言ですみません。
・それに引きかえ、最寄り駅の遅くまでやっている書店のなっていないことといったら。店舗がとても小さいとはいえ、海外小説の単行本は一切入荷しない。なぜか唯一棚に並んでいるのがよりによって『フラグメント 超進化生物の島』、なぜか文庫棚にジョー・シュライバー『屍車』が3冊も置いてある……等、かゆいところに手が届かない。背中を掻いてほしいときに足の指の間を掻かれているような違和感。