09年8月10日

 特に感想がない。キャンベル新人賞、2位と3位の人は自分がうろつく範囲でよく見る名前なのでそのうち読む→Aliette de Bodardはフランス系ベトナム人女性であるが主に英語で小説を発表し、専攻・本職はコンピューター関係。Angry Robot Booksから来春出る長篇はアステカ文明をモチーフにした改変歴史もの。神が実体として闊歩し、いけにえをせびる世界で起きた連続殺人を解決するという、ファンタジック・クライムフィクションらしい。
 Tony Piのほうは台湾出身のカナダ人で言語学博士。短篇小説をあちこちに発表し続けており、9月に出るホームズ・パスティーシュ傑作選The Improbable Adventures of Sherlock Holmesにも作品が載せられる予定とか。

 変な日本小説はそれだけで手にとってしまう性質なもので、扶桑社から2003年に出た原作は結構好きだった。売れ行きがアレだったのか翻訳が続かなくて悲しかった。英語版は『北海道ポプシクル』『パチンコ・ドリーミング』『近畿ララバイ』と4作目まで続刊している。が、そこでストップしているってことはあちらでもそう売れたわけではないのか。映画化でもう少し脚光を浴びるといい。
Tokyo Suckerpunch: A Billy Chaka AdventureHokkaido PopsicleDreaming PachinkoKinki Lullaby
 映画は翻案で、トビー・マグワイア扮するビリー・チャカは日本へ取材にきたグラフィックノベル作家、ヒロインはその編集者らしい。原作は雑誌記者なので内容がだいぶ変わりそうだ。ヲタク文化紹介でもやって時流に乗るつもりか? 観ていないがバリー・アイスラーは映画版で改悪されちゃったようなので、こちらは同じ轍を踏まず、痛快なバカ映画になってほしいものだ。