この本が変だ!(2010第一回)

 例によってブックマークが増えすぎたので、メモがわりに最近ちと気になった英語の小説を挙げておく。あらすじは出版社やAmazonのものとレビューを参考に書いているので、誤りが含まれている可能性あり。掲載順は無秩序。

  • D. C. Pierson “The Boy Who Couldn't Sleep and Never Had To” (Jan. 2010)

The Boy Who Couldn't Sleep and Never Had To (Vintage Contemporaries)

The Boy Who Couldn't Sleep and Never Had To (Vintage Contemporaries)

 ゲームとSFに耽溺し、自分でもイラストを書き散らす少年ダレンは15歳。学校では影が薄く、兄にいじめられる日々。もちろん女の子になんかモテやしない。そんな彼と彼の絵を通じて仲良くなった少年エリックは、ある秘密を持っていた。なんとエリックは眠ることができず、また睡眠をとる必要もなかったのだ! うっかりエリックの秘密をばらしてしまったダレンは、かねてより夢想していたような冒険と騒乱に巻きこまれることに。

  • Jesse Bullington “The Sad Tale of the Brothers Grossbart” (Nov. 2009)

The Sad Tale Of The Brothers Grossbart

The Sad Tale Of The Brothers Grossbart

 時は1364年、悪漢グロスバート兄弟は各地で墓を盗掘し、罪なき民を虐殺して暮らしていた。彼らは先祖と由縁のある、伝説のGyptlandの墓を求めて旅人や商人、伝道師や無法人に混じってさすらうが。法王、十字軍、黒死病などの要素も絡んでくる歴史ファンタジー

  • Christopher Miller “Cardboard Universe, The: A Guide to the World of Phoebus K. Dank” (Apr. 2009)

Cardboard Universe, The: A Guide to the World of Phoebus K. Dank (P.S.)

Cardboard Universe, The: A Guide to the World of Phoebus K. Dank (P.S.)

 フォボス・K・ダンク。亡きパルプSF作家である。本書は彼の作品と人生のキーワードとなる言葉を辞典のように並べ、またダンク研究の第一線にいる2人の研究・批評者を紹介するもの……という設定である。我々の知るフィリップ・K・ディックの人生そのものと『ヴァリス』を中心とする著作を思わせる、我々の知らないPKDの世界が1冊まるまるを使って「騙り」つくされる。